ハーレクインは基本的にハッピーエンド、つまりヒロインとヒーローが結ばれるというのが原則らしいです。まだ、それほど読み込んでいるわけではないんですが、これはハッピーエンドと言えないのではないか、と思えるようなのも中にはありますけど。
日頃、仕事と家事に追われて、なかなか思うようにいかない現実の中、マンガあるいは小説の中だけでもすっきりとまとまるというのは、なんだか気分がいいものです……。
ちなみに現在のお気に入りベストスリーは、アン・メイザー原作、藤田和子著『背徳のキス』、シャロン・サラ原作、高山繭著『夜は別の顔』、シャロン・ケンドリック原作、小越なつえ著『夜ごとのシーク』ですね。
背徳のキスは、お互いの置かれた立場から、惹かれあうものの踏み込めないヒロインとヒーローが、感情を抑えきれずにある夜、ついに……というお話です。物語冒頭でヒロインが発した一言で、ヒーローだけでなくわたしも心をぐっとつかまれ、その後、ぐいぐいと話に引き込まれていきました。ストーリー自体は、さほどドラマチックなできごとがあるわけではないのですが、聡明で美しいヒロインがとても魅力的に描かれています。
余計なト書きがなく、登場人物の表情とか背景などの差し込みで感情を表現するあたり、なんというか、見事だなと。
原作は読んでいませんが、藤田和子さんのこの作品があまりにツボにはまって、もはや原作で漫画のイメージを損なわれたくない!(とは原作者に失礼ですが)くらいこの作品が気に入っています。